「クソゲー戦記」第3回!
今回のターゲットは、PS2時代を震撼させた“ホラー”……いや、“炎上ホラー”『四八(仮)』です。
発売は2007年。
キャッチコピーは「47都道府県のご当地怪談を集めたホラー大作!」
──だったんですが、実際に出てきたのは“炎上騒動の怪談”そのもの。
恐怖より怒り、不気味さより不快感で話題をさらった超問題作です。
ゲーム概要

『四八(仮)』は全国の都市伝説や怪談を集めたノベルゲーム。
プレイヤーは日本各地を巡りながらホラーエピソードを読み進める、いわゆるサウンドノベル形式です。
宣伝では「100人以上の作家が参加!」「ご当地の怖い話を全部集めた!」と大風呂敷を広げ、期待感はマックス。
「和製ホラーの決定版が来るぞ!」と盛り上がったファンも多かったはず。
しかしフタを開ければ……「いやいや、これ本当に完成品なのか!?」と全国から総ツッコミが飛ぶ事態に。
クソゲーたる所以
1. ご当地要素の偏りがひどすぎる
タイトルは“47都道府県の怪談”。
ところが、東京や大阪は複数のシナリオがあって豪華なのに、地方は数行で終わり。
「○○県はこれで終わりです」みたいな扱いもあり、地元民ブチ切れ。
地域格差がひどすぎて、「ホラーよりその不公平さが怖い」と言われる始末。
2. ホラーじゃなくて不快
怖い話を期待しているのに、出てくるのは身内ノリの文章や不謹慎すぎるネタ。
中には差別的と取られてもおかしくない記述まであり、プレイヤーはドン引き。
「恐怖」ではなく「嫌悪感」でゾッとさせるスタイルは、ある意味斬新すぎました。
3. とにかく長い、そして退屈
ホラーなのに延々と日常描写。
「そろそろ幽霊出る?」と思ったら日記みたいな文章が続くばかり。
数十分読んで何も起きないこともザラで、眠気との戦いを強いられる始末。
“ホラー”じゃなく“睡眠導入ソフト”と揶揄されたのも納得です。
4. 技術面でもガタガタ
ロードは不自然に長いし、テキスト送りもテンポが悪い。
UIも快適とは言えず、プレイヤーに不親切すぎる設計。
ホラー以前に、ゲームとしての最低限すら満たしていなかったのです。
炎上の広がり
発売直後から掲示板やレビューサイトは大荒れ。
「金返せ」「これはホラーじゃなくてギャグ」「県民差別ゲー」と大炎上しました。
特定の地域の扱いがあまりに雑で、ネットニュースに取り上げられるほどの騒ぎに。
「クソゲーは笑える」ことも多いですが、『四八(仮)』の場合は“笑えないレベルで不快”だったのが問題。
怒りと呆れが混ざり合い、最悪のノベルゲームとして名を轟かせることになりました。
それでも語り継がれる理由

普通のクソゲーは「理不尽で笑える」ですが、この作品は「不快で炎上する」タイプ。
その異質さが逆に強烈で、実況やレビューで必ずネタにされる存在になりました。
「最低のサウンドノベル」「ホラーじゃなく炎上ホラー」といった称号を一手に獲得。
いまだに“PS2時代最大の黒歴史”として語られるのも納得です。
まとめ
『四八(仮)』は、ホラーとしてもノベルゲームとしても失敗作。
しかしその“失敗っぷり”が逆に歴史に残り、炎上系クソゲーの代表となりました。
- 地域格差がひどすぎるご当地要素
- 恐怖より不快感を与えるシナリオ
- 長すぎて眠くなる展開
- ロードやUIなど基本的な作り込み不足
結果として「遊んで楽しい」ではなく「炎上で盛り上がる」ゲームに。
ここまで来ると、もはやホラーではなく社会現象級の迷作です。
第3回は“炎上ホラー”でしたが、次回はまた別方向に笑えるクソゲーを掘り下げていきます。
クソゲーの世界は広い、まだまだ伝説は尽きません!